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80kidz biography

80KIDZから学ぶ、世界の一歩先のトレンドと最新のかっこよさ

僕の中では、アーリー90sというよりは、レイト90sからアーリー00s感がきてると思ってるんですよ。でも、それをそのままやっても仕方ないから、そこに今の要素と合わせて、「次」の雰囲気が出るように試行錯誤しました。(JUN)

―では、『FACE』について訊かせてください。昨年リリースしたダンストラックアルバム『80:XX』は自主レーベル「PARK」からのリリースでしたが、今回は「AWDR/LR2」からのリリースですね。

JUN:僕らのオリジナルアルバムとなると、あの人(マネージャーを指差す)一人じゃ無理なんですよ(笑)。今回メジャーも含めていろんなレーベルと話をさせていただいて、今のレーベルのA&Rの方とお会いしたときに、音楽が好きでやってるレーベルだということがすごく伝わってきたんです。

ALI&:やっぱり僕らはアートワークとか見せ方にもこだわりがあるので、そういう部分もわかってくれるところとやりたかったんですよね。「EDMとかガチ上がりじゃん! このブームに乗ってガーンって行こうよ!」って言われても困るんで(笑)。

―EDMシーンが日本でも大きくなってきていることは事実ですが、80KIDZもEDMとして見られることは多いですか?

JUN:そう思ってる人は多いと思いますよ。

―そういう現状に対しては、何か思うところはありますか?

ALI&:僕、EDMは映画で言うと「アクション大作」だと思ってるんですよ。派手でわかりやすくて、テーマも全部だいたい同じような……。でも、僕らはそのときのテーマがあって、伝えたいことを作品にしていて、「お金使ってハリウッド大作を作る」というスタンスではやってきてないんで、急にそっちをやろうとはまったく思わない。

JUN:そうだね。CDショップはジャンル分けしないと売りづらいので、エレクトロがEDMに変わっていった今、僕らのCDもEDMとして扱われて試聴機に入っているのは仕方ないとも思うんですけど、違和感はありますね。

―エレクトロにしろEDMにしろ、音楽性という意味では実体がなかったりもしますからね。

JUN:今エレクトロっていうと古いイメージがあるから、CDショップも「日本のEDMアーティスト」って打ち出した方が売りやすいんだろうし、だから『80:XX』もEDMとして扱われたんだと思うんですけど……今回はどうなんだろう?(笑) もともと80KIDZって、日本人なのに洋楽コーナーに置かれる謎の立ち位置ですけど(笑)、今回は特にジャンルを決めづらいと思うんですよね。

―確かに、楽曲のバラエティーはこれまで以上に広いですよね。その中でも、何か自分たちの中では作品の軸があったのでしょうか?

ALI&:今回は「次」を意識したっていうのはありますね。今のトレンドじゃなくて、EDMでもなくて(笑)、その先を行ってやろうっていう。しかも、「今海外で流行ってるトレンドを日本に持ってこよう」じゃなくて、「これから海外でもこういう流れが来るんじゃない?」っていうことを意識しました。

―個人的な印象としては、まずハウスとかデジロックっぽいものとか、1990年代感が強いということ。あとは結構エキゾチックだったり、サイケデリックだったりして、そこは今のUSインディーとかともつながるかなと。

JUN:今って、90年代前半のカルチャーがきてるって言われてるかもしれないんですけど、僕の中では、アーリー90sというよりは、レイト90sからアーリー00s感がきてると思ってるんですよ。でも、それをそのままやっても仕方ないから、そこに今の要素と合わせて、「次」の雰囲気が出るように試行錯誤しました。

ALI&:90年代後半から00年代前半に何が足りなかったかを考えた上で、今っぽさを足してみたら、「これ新しい!」と思えるものが作れましたね。ブレイクビーツのビート感を出そうとしたのもそういうことだし。

―昔は音楽やファッションのサイクルって20年周期って言われてたけど、情報のスピードが速まって、今は15年周期ぐらいになってる気はしますよね。

JUN:15年前って僕らちょうど20歳ぐらいで、一番刺激を受けてる時期の音楽なんですよね。一番興味を持って影響を受けた時期の音楽を取り入れて、自分たちが「次」として提示したいものを出せたのが今回の作品かなって。

ALI&:自分の15歳から20歳と、ここ2年ぐらいの流れって何となく似てる気がするんですよ、ファッションも音楽も。R&Bがまた注目されて、インディーミュージックの中にその要素が入ってきたりとか。そういう動きも見ながら、「じゃあ、次はこういう感じだよね」とか「こうなってほしい」とかを考えながら作りました。

―どれか1曲具体的なイメージを教えてもらえますか?

ALI&:例えば、“Something Down The Way”は、BECKとかCorneliusとかがやっていた、90年代後半の「サンプリングがオシャレ」っていう時代感に、今っぽさを出すとどうなるか、ということを試行錯誤しました。

とりあえず「EDMはやりませんよ」と(笑)。(ALI&)

―最後になりましたが、『FACE』というアルバムタイトルの由来を教えてください。

JUN:タイトルはシンプルで力強いワードがいいと思ってて、いくつか候補がある中……。

ALI&:セルフタイトルっていう案もありました。

JUN:でも、それだとつまらないと思って、途中でも話したように、ずっと顔を隠してるし、「顔」っていうのはキーワードだなとずっと思っていたので。

ALI&:ジャケットを真っ白にしようって言ったのは僕で、『FACE』なのに顔は出さない、あえて対極にすると「面白いじゃん?」って。


80KIDZ『FACE』ジャケット

―セルフタイトルも候補に出てたってことは、文字通り「顔」となるだけの手応えがある作品ができたということでもありますよね?

ALI&:これと前回の80シリーズ、2作をベースにこれから先も考えてくださいっていう感じかな。とりあえず「EDMはやりませんよ」と(笑)。

JUN:10年後ぐらいにやったらいいかもね(笑)。

ALI&:そう言えば、この前のUNDERCOVER(ファッションブランド)のイベントって行きました?

―トム・ヨークがシークレットゲストでDJをやったイベント(渋谷)ですよね。行けなかったです。

ALI&:めっちゃ地味な曲で、かなり盛り上がってたんですよ。もちろん、ミーハーで盛り上がってる人もいたとは思うけど、EDMばっかり言われる中で、こういうのがかっこいいってわかってる人もちゃんといるんだなって思って、それは結構嬉しかったんですよね。

イベント情報
『80KIDZ new album 『FACE』 RELEASE LIVE』

2014年10月1日(水)OEPN 19:00 / START 20:00
会場:東京都 代官山 UNIT
料金:前売3,000円(ドリンク別)

リリース情報
80KIDZ
『FACE』(CD)

2014年9月24日(水)
価格:2,600円(税込)
AWDR/LR2 / DDCB-12072

1. Intro
2. Egyptian Raver
3. I Got a Feeling (feat. Benjamin Diamond)
4. Don't Wait Be a foil for (feat. Ronika)
5. Can't Sleep (feat. Jhameel)
6. Venge
7. Sting
8. Dusk
9. Gen X (feat. Ann Saunderson)
10. Into The Sun
11. Something In The Way (feat. Kazuki Sato)
12. Face

プロフィール
80KIDZ(えいてぃーきっず)

ALI&とJUNによるユニット。2007年1月に結成。オリジナル楽曲やリミックスがSNSを通じて瞬く間に世界中で話題となり、初期作品集の12インチシングル『DISDRIVE EP』(2008/04)は即完売、続く初のオリジナルCD作品『Life Begins at Eighty』(2008/08)はEPとしては異例のビッグセールスを記録した。年間ベストアルバムの1つとして高い評価を獲得した1stフルアルバム『This Is Empty Shit』(2009/04)、CSSのLovefoxxxをフィーチャーした表題曲を含むミニアルバム『SPOILED BOY』(2010/06)、iTunesの総合ランキングで1位を獲得した2ndアルバム『WEEKEND WARRIOR』(2010/10)、ロックとダンスの垣根を越え幅広い層に受け入れられた3rdアルバム『TURBO TOWN』(2012/04)と、順調にリリースを重ね、FUJI ROCK FESTIVAL、SUMMER SONICをはじめとするビッグフェスに出演。2013年にはダンストラックEPシリーズ『80(ハチ・マル)シリーズ』を始動。2014年9月24日に4thアルバム『FACE』をリリース。